重い病気で働けなくなった父親と幼い子。 幸せに暮らせる日々はあとどれだけあるだろうか。
ゴミ集積場に暮らす父と子。 赤ん坊が高熱を出してもこの町に医師はいない。
駅の階段に佇むホームレスの親子。 虚ろな母親の顔を心配そうに覗き込む子ども。 追記 数日後、離れた場所で偶然この母子たちを見かけた。 顔は汚れ、靴もなく。
家族の絆と愛情は万国共通。 この町はそれを支える現実があまりに脆く厳しく儚い。 東洋最大のスラム街『マニラ・トンド地区』。 貧困と家族愛、悲喜交々入り混じる南国の町に、薄氷を踏む思いで生きる人たちがいる。