ある夏の曇り空の朝、時代を流浪してたどり着いた処は、 雑木林のなかにある崩れ落ちそうな一軒の診療所。 引力に抗えども力なく、弱々しく立っていた。
廊下の屋根や床の多くは、すでに大地の土へと還っている。
毒に喘ぐこの地の民にとって、ここの先生は一筋のクモの糸を垂らしてくれるお釈迦様のように映っていたのかもしれないな。
巡りに巡った時代の走馬灯は、世紀を大きくひと跨ぎした今、まさに最終章だ。
在りし日の営みを浮かべつつ、そしてクレゾールの残り香と混じり合う朽ちた古木の臭気を感じながら、オレはファインダー越しに一刹那の時空と出会ったのサ。
[クレゾールの残り香と Since 1918] より
[クレゾールの残り香と Since 1918] より



![2024 [With a lingering scent of cresol.Since 1918] Received the 70th Tanahashi Shisui Award.](https://cdn.myportfolio.com/23e62772-107a-4939-9932-fac2d34f6552/e4d97a9c-3157-4de6-b260-cfdb046079db_rw_3840.jpg?h=94320df69bbebc59833784e5cba3916f)
2024 [With a lingering scent of cresol.Since 1918] Received the 70th Tanahashi Shisui Award.





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